
ごあいさつ
真夏の到来を待つ今日この頃です。
平素より格別のご芳情に深く感謝を申し上げます。
世の中はコロナウィルス一色となってしまいました。待ちに待っていたはずの東京オリンピック・パラリンピックが、今ひとつ盛り上がりに欠けるのも致し方のない感じがいたします。
政治の世界では、昨年十月の知事選挙において新田八朗新知事が誕生いたしました。富山県にとっては重要な時期の交代であり、新知事には県の将来を一身に担うお気持ちでご精励いただくことを心より期待するものです。
十一月には砺波市長選挙が、行われ夏野修さんが無投票による三選をはたされました。「さらに上の砺波」を掲げての当選でございますので、いよいよのご活躍を心より祈念申し上げる次第です。
また、国政選挙においては、今秋までに第四十九回衆議院議員選挙が施行されます。ほぼ、任期の四年を全うしての選挙となりますが、どのような選挙になるのか。また、来年の夏には第二十六回参議院議員選挙も控えております。
このような政治状況にあって、地方の変革、改革は進むのでしょうか?さまざまな政治課題が山積する中、将来、どこへ社会が向かおうとしているのか。何が重要になって来るのか。重点施策を検証し、基本的な方向を見極めて行くことが課題と考えております。
今年も二月議会の予算特別委員会において質問をさせていただきました。私が関心を持って聞いたのは主に次の点です。
■コロナへの対応、克服が社会の大きな転機になるのではないか。この際、都心部等に集中している仕事を地方へ分散し、企業ごと移転させるなど富山県として果たせる役割はないものだろうか。
■今、富山県の抱えている課題は、富山県一県では解決できない事が多い。広域観光や県際道路に関することなどなど、北陸三県さらに岐阜、新潟、長野とも連携をとるべき課題が多いと考えます。
■富山県の農業環境の整備率は高いが、今求められているのは新しい農業への挑戦ではないか?若者や女性の就農率も増えており、農業も高付加価値商品の生産や対外輸出を見すえ、ビジネス感覚を取り入れたワクワク、ドキドキする富山県独自の農業があるべきではないだろうか?
■我が国の中山間地においては、長い間、農業、林業ともに大きな役割を果たしてきたが、現在では担い手の不足、低所得化など、多くの課題を抱えている。中山間地が維持できないと国土の保全にも大きな影響が出てくる。今後の維持・発展のために早急に対策を講じるべきと考えます。
■ハコモノの話になると、とかく「造っただけ。保守、管理が大変」などと反論が出るが、活用することを前提に収益をあげていけば、観光、イベント、会議など人の交流には欠かせない政策だと考えます。
などです。変化が起きていることを自覚する意味も含めて質問した次第です。
砺波市では厳しい環境ではありましたが、チューリップフェアを開催することができました。ご尽力をいただいた皆様に感謝と御礼を申し上げます。ブルーインパルスにも花を添えてもらいました「コロナとブルーインパルス」。七〇周年の節目として忘れられない年になったと思います。
終わりになりましたが、いよいよ暑い毎日がやってまいります。くれぐれもご自愛の上、ご健勝にてお過ごしくださいますようご祈念申し上げてご挨拶とさせていただきます。
富山県議会議員
自民党富山県支部連合会 常任顧問
令和三年三月十八日 予算特別委員会
米原蕃 質疑応答(要旨)

米原委員 コロナによる社会の危機を何としても回避しなければならないという思いが世界中にあると思うのであります。
新田知事は大変な時期に知事になられた。しかし、世の中には「災い転じて福となす」という言葉もございます。後で振り返ったときに、富山県は令和三年が転機の年であったと、新田知事のあのときの決断が富山県を変えたんだと言われるように、政策を思い切って実現してほしいと思うのであります。
コロナ禍の下、大きな転機が訪れたと受け止め、特別な意識で臨むべき
さて、来年度の県予算でありますけども、6,335億円余、政府はコロナ対策、経済対策にしっかりと対応していると私は受け止めますし、また皆さんもそう受け止めていらっしゃると思います。
コロナ対策、景気対策による経費の大幅な増加により、対前年比624億円の増となって、6,700億円余の一般会計にするということであります。特別会計を入れますと9,000億を超えて一兆円近い予算ということであり、過去最大の規模になったと思います。
コロナ感染、県内経済への支援、国土強靱化、特にコロナについては対策の成果が一日も早く出るように期待をするものでありますけれども、同時に知事がおっしゃるところの「ワクワク」が、県民から感じ取れるよう、さらに尽力をいただきたいと思います。
そこで、知事に伺いたいのでありますけども、富山県の発展、そして県民の幸せのために、知事はどのような心構えで県政運営に臨んでいらっしゃるのかまず伺っておきたいと思います。
新田知事 昨年の十一月九日に就任をしてから二日目でしたか、北陸新幹線の敦賀までの工事が大幅に遅れるというニュースが入ってきました。また、新型コロナウイルス感染の再拡大、年明けの記録的な大雪、砺波市井栗谷での地すべり、さらに小矢部での高病原性鳥インフルエンザなどなど、県民の命あるいは暮らし、そして健康に関わる重大な事態が続いて起きてまいりました。これらの事案に対しまして、県知事として正面から向き合い、適時適切に全力を挙げて取り組んできたと考えておりますが、改めて県知事という職の責任の重さを痛感したところです。
一方で、コロナの終息を見据えての富山県の発展、そして県民の幸せに向けて種をまいていくことも大切な仕事だと認識をしております。その上で、この富山八策、そして八十八の具体策を一つずつ着実に進めていくことが、将来の富山県づくりにつながっていくと信じてこれからも進んでまいりたいと思います。
さらに、先般立ち上げました富山県成長戦略会議には、突き抜けた議論を期待しているところでございます。県民の皆さんの意見ももちろん聞きながら、ワクワクする富山県のために働いていきます。
米原委員 いろいろと夢がたくさんあって、実現するというと大変でしょうけども、しっかりと取り組んで頑張っていただきたいと思います。
次の質問であります。新型コロナ禍によって人口集中型の首都圏でありますけども、テレワークやリモート会談、デジタルシステム化が大きく取り入れられているということであります。
首都圏の本社機能や人材は、必ずしも首都圏に集中しなくてもよいのではないかという意見があります。
今後どのように本県の強みをアピールしながら本県への移転につなげていくのかということについて、布野商工労働部長に所見を伺っておきたいと思います。
布野商工労働部長 首都圏からの本社機能の移転につきましては、地方拠点強化税制が設けられました平成二十七年度以降、昨年度までに四件の施設整備計画を認定しております。
今年度は、現時点で首都圏からの企業移転につながった事例はございませんが、新型コロナの感染拡大、それに伴うテレワークなどデジタル技術の活用が加速する中、首都圏等の幾つかの企業からは、本社機能の移転等に関する相談をいただいておる状況でございます。
日本経済団体連合会も、東京からの移転を「実施」「検討中」「今後、検討の可能性あり」と回答した企業の割合が22.6%と答えております。コロナ禍前の2015年実施のアンケートの結果では7.5%となっておりまして、比較して15.1ポイント増加しておるということであります。
こうした動きを本県に取り込み、他県との誘致競争に勝ち抜くということで、新年度、とやまホンシャ引っ越し応援特別枠を創設させていただきたいと考えております。
自治体が、取り組む企業などの「誘致」競争のポイントは何か
米原委員 なぜ、こういった問題に政府は、しっかり取り組まないのかなということを本当につくづく思います。
富山のように便利で恵まれたところはない、新幹線に二時間も乗れば東京へ行けると。こんなすばらしい地域はないと思いますので、もっとしっかりと中央のほうに向けて、首都圏へ向けてPRに取り組んでいただきたいと思います。
次に、今のサービス産業は大変厳しい状況にあるということだと思います。県もいろんなことに支援をしてきたつもりでありますが、今、どんなふうに富山県の現状を捉えていらっしゃるのか、中谷観光・交通振興局長の所見を伺っておきたいと思います。
中谷観光・交通振興局長 新型コロナの影響によりまして、昨年の本県の延べ宿泊者数につきましては、令和元年に比べまして約45%の減、特に外国人については、約85%の減となっておりまして、観光宿泊事業者においては厳しい状況にございます。
先ほど災いを転じてというお話がありましたが、この機会にぜひ県民の皆様には本県の地元のすばらしさを知っていただいて、この後一緒になって本県をPRしていくということにつなげていきたいと思っております。さらに、Go Toトラベル終了後を想定して、今度は北陸三県が連携して近隣県民向けの宿泊割引を実施したいと考えております。
本県ならではの観光資源を生かした新たな旅行商品の開発や旅行者の受入れ環境整備に対する支援などにより、将来に向けた誘客、観光消費の拡大を図ってまいりたいと考えております。
米原委員 既にご承知かと思いますが、失業者がもう二百万人に迫っていると報道されているわけです。本当に困っておられる方もたくさんいらっしゃるわけで、こうした状況をしっかり見届けて、支えていくことも大きな課題ではないかなと思います。
北陸は一つ。さらに飛越、信越もみんなで力を合わせ地域の発展を
次の質問に入りますが、北陸三県がしっかりと連携してやっていくこと、新幹線だけではなくて、もっと幅広く交流していくことが北陸三県のプラスになると思います。
さらに岐阜県ですが、こういった地域についてもしっかり取り組んでいただきたい。私が以前に、「この際、富山高山空港にでもしたらどうか」ということを言った話ですが、私は飛騨というものがひとつの考えとしてあるので、富山飛騨空港にするとか例え話を申し上げた。
富山空港は、ローカル空港として非常にいい空港で、使い方はいろいろあると思う。やっぱり富山だけではなくて、北陸三県あるいは岐阜も長野も新潟も入れた状況で進めていくということが富山県にとって大事ではないかなと思うんですよ。
知事もいろいろと考えていらっしゃると思うんですけれども、所見を伺っておきたいと思います。
新田知事 先月、石川県の谷本知事と懇談をする機会がありました。北陸はひとつという共通認識に立って、北陸新幹線のこと、また広域観光のこと、そして県際道路のこと、いずれも県境を越える話ばっかりでございました。こういったことについて具体的に取組を進めていくこととしました。そしてまた、このような懇談会を今後も継続的に実施していこうということでも合意をしました。お互い知事同士、膝を突き合わせて、会って具体的なテーマに基づいてお話をし合う、それぞれ有意義な機会であったという評価で一致をしたところでございます。
米原委員 次の課題について質問させていただきます。富山県農業政策についてお伺いしたいと思います。
近年、大企業が先端技術を活用した農業支援分野に本格参入するといった報道がなされております。高齢化や担い手不足など話題が多い農業分野を新たな商機として捉えています。
富山県においては、農地の整備などは、今日まで、ずっと皆さん本当に一生懸命努力をされてこられましたので、そういうところは進んでいるけれども、一体全体、富山の農業を取り巻く環境にどういう認識で取り組んでいらっしゃるのかというのは、見えにくいところがあるような気がしてなりません。どういう認識を持っていらっしゃるのか堀口農林水産部長の考え方をお聞きしたいと思います。
堀口農林水産部長 県ではこれまで、富山県農業・農村振興計画に基づきまして、将来にわたり発展する競争力の高い農業を基本目標の一つに掲げ、各種施策に取り組んでまいりました。
令和元年度まで、圃場整備率は84.7%、農業法人数は745法人と、10年前の2倍となっております。集落営農組織は6割強の446組織が法人化をしております。担い手への農地集積率は65%となるなど、全国水準を上回る実績を上げております。
また、園芸振興では、JAとなみ野のタマネギをはじめとして、1億円産地づくり戦略品目の販売額が13億円を超え、取組前の約2.8倍となっているほか、6次産業化による年間販売額が平成30年で120億円に増加。砺波市の例で言いますと、蔵蕃のそば、あるいは農工房長者の桃、ブルーベリーパフェが大変人気だと聞いております。
さらに輸出では、輸出用米の生産量が平成二十七年比で約4倍となるなど、一定の成果も見られております。
一方で、国内の人口減少に伴うマーケットの縮小、例えば主食用米の需要が毎年十万トンずつ減っているということがございます。
また、所得向上のための経営効率化への対応、後継者不足等による就業人口の減少、特に中山間地域では、高齢化や耕作放棄地の増加などの課題があるものと認識をいたしております。
本県農業が持続的に発展していくためには、農地のさらなる大区画化、汎用化や、スマート農業による生産性の向上、若い世代への経営継承、園芸作物の導入による経営の複合化や6次産業化、輸出促進等による新市場開拓や販路拡大など、ハード・ソフト両面のさらなる支援に努めていく必要があると考えております。
米原委員 整備率が高いことは私も十分承知しているつもりですが、問題はやはり、いかに農業の皆さんが新しいものにチャレンジするかということであり、そこがちょっと私は見えないと思います。
昨今、農林水産省は、食品の輸出拡大を拡張しなければならないと。そして、輸出産業に対して集中的に支援をするというようなことも発表されておられます。
富山県の農業の政策について、今おっしゃった担い手、たくさんいろんな法人や、745の法人など、いろいろと努力しているということでありますけど、まだまだ私はこうした状況が見えにくいところもありますので、経営全体の施策というものを何かもう少し指導されて、推進するための協議会といいますか、組織をつくればいいというものではないのでしょうけども、今、近年、非常に農業経営の法人化や意欲のある若者の就業が増加をしてきているように私は感じます。女性も物すごく増えてきておられます。未来カレッジの皆さんも一生懸命努力しておられる。
ワクワク、そしてドキドキするような富山県の農業を目指せ
そういう方々が、しっかりとこのビジョンを持って成長できるように、マーケティングの施策を連携させて、そして充実をさせていくというような考え方がやや欠けているのではないか、そんなふうに実は思えてならないわけです。もっともっと新しい施策を取り入れることが重要ではないか。ワクワク、そしてドキドキするような富山県の農業に新しいビジネスを盛り込む。農業がビジネスになる。その挑戦をどうやっていくか。ずっとそのことを考え続けているわけです。そういうことをぜひ部長、考えていただけませんか。
堀口農林水産部長 県ではこれまで、経営体の育成のため、経営規模拡大あるいは高収益作物の導入等により所得向上を目指すとやま型農業経営モデルを示すとともに、関係団体と連携しながら、技術や経営に関する指導、必要な機械等の整備などの支援に努めてまいりました。
また、農業者に加え、行政や農業団体で構成いたします担い手育成総合支援協議会を県段階あるいは地域段階に設置いたしまして、経営発展に向けた研修会の開催のほか、法人化や経営継承等の様々な経営課題に専門家派遣などを支援しております。
今後さらに担い手の皆さんが農業経営を取り巻く様々な課題を克服して、経営発展に向けチャレンジしていただくためには、経営体の育成状況あるいは支援ニーズ、女性の方、高齢者の方、若い方も一生懸命やっておられる方々に対する幅広いサポート体制が必要だと思っております。
このため、各分野の推進組織として、これまで活動してきました担い手育成総合支援協議会をはじめ、とやま型スマート農業推進コンソーシアム、6次産業化推進協議会、農林水産物等輸出促進協議会などが連携いたしまして、意欲ある農業者が成長していくため、マーケティングを含めた必要な施策が総合的に届けられるよう努力していきたいと思っております。
また、経営指導や技術支援を行う各農林振興センターの普及指導員のスキルアップはもちろんのことでありますけれども、農林水産総合技術センターの各研究所におけるニーズに応じた試験研究や新設するスマート農業普及センター(仮称)の活用など、農林水産部の総力を挙げて、本県農業の次代を担う農業経営体の育成、稼げる農業の実現に向け、しっかり取り組んでまいります。
米原委員 今日も井上委員から、「3,000万人もいらっしゃるという六十五歳以上の高齢者の方々の雇用を農業に少し向けられることもあるのではないか」という話もありました。私、全く同感だと思いますので、ぜひそういったいろんなことも考えて農業にしっかりと取り組んでいけるよう富山県の役割を果たしていただきたい、と期待しております。
あらゆる手段を講じ、中山間地の維持・発展を目指せ
次に、中山間地のことについて少しお尋ねをしたいと思うんですが、柿沢総合政策局長の先般のお答え、皆さん質問の中で、県土の七〇%を占める中山間地対策について、しっかりと取り組んでいかねばならんということをご答弁されておられます。
私はやっぱり中山間地に大変興味がありまして、議員の方々とも随分県外の視察をいたしまして、いろんなところの先進地を見てまいりました。そういうことが相まって、今度の富山県の県条例にも生かしていただいて、しっかり取り組んでいこうと思っていますが、これはまだ道半ばであり、総合政策の中にも中山間地がある、農業の水産部の中にも中山間地がある、いろんなことで皆さん取り組んでおいでになるわけでありますが、七〇%の敷地ですから、なかなかそう簡単にすぐこうだということはできません。
私はやっぱり中山間地の方々には、所得の拡大、それから雇用の創出について、どううまく取り組んでいくのかということが重要ではないかなと思います。
そこで、ちょっと私の考えを申し上げますと、中山間地に結構空き家が増えてきたのではないかと思います。砺波の土木センターに長谷川さんという所長がいらっしゃいますが、彼は今、一生懸命、空き家をお世話して、それが功を奏しているやに聞いております。
いずれにいたしましても、たくさんの空き家を利活用して、試験研究機関や、商品開発というような分野であるとか、あるいは高品質化であるとか、販路の拡大であるとか、こういったことを一貫して取り組めるようなところをこの中山間地の中に幾つかモデルとしてできないものだろうかと。その中から雇用や所得などを増やしていくような仕組みをつくっていくということが、大切なわけですよ。そういうものを皆さんと一緒になって取り組んでいくというところが私は欠けているような気がしてなりません。
今年の雪は多かったですけども、昨今は、山手のほうは雪が少なくスキー場も経営的に大変厳しいので、通年型でグランピング(魅力的なキャンピング)による遊休土地のいろんな使い方があるのではないか。そういうところにワクワクとかということが出てくるのではないかと思うんですが、どうですか、柿沢局長、そういったところをひとつお答えいただけませんか。
柿沢総合政策局長 中山間地域の振興に向けましては、地域資源を生かして、市場ニーズに沿った付加価値の高い商品を開発、販売、今日もイチゴを頂きましたけれども、あのような大きくて甘い、どこにもない、付加価値の高い、そういうものを出していくということが大事であると思っておりまして、そうすることによりまして雇用を生み出し、地域住民の所得の増大につなげていく。そういうことを目指していくということが大事なのではないかなと考えております。
まず、空き家や遊休地を活用しました地域づくりということから申し上げますと、一つは、地域の話合いが大事であるということ。その地域の話合いを三回も四回も五回も繰り返しまして、その中で地域ごとにアクションプランをつくっていただく。そのアクションプランをつくった地域に対して、三年間にわたってチャレンジ支援だということで補助金を出します。その際には、例えば空き家であるとか、事例のあるもので申し上げますと、廃園となった幼稚園を活用いたしましてコミュニティカフェを開設する。そうした試行的な取組に対しても支援をしております。
そのほかに、実際の話として、移住者が空き家を活用する、外から来た人が使うというのは結構地域によっては刺激になるということもあると思っておりますので、そうしたことで、その空き家を使って起業するということに対しまして支援を行っております。具体的には、南砺市の井波地域でもそういう支援を行っております。
それから、市町村が一緒に集落があって取り組む取組として、例えば遊休地をキャンプ場などに活用できないかということを考えていく場合、地域づくりということで、このスポットだけではなくて、エリア全体でどういう地域づくりをやっていくかということに対する支援制度も用意しておりますので、集落と市町村と県も一緒になってご相談していきたいということも思っております。
それから、農業分野につきましては、中山間地域の特色を生かして所得向上を目指すモデル的な農業者の方に対しまして、例えばドローン等の導入によります機械化、ICT化や新規作物の栽培実証、あるいは販路開拓、ハードとソフト等両面にわたって支援していく。それから、試験研究機関と連携するということも必要になってくるので、試験研究機関によっては高品質化に向けた農産品の成分分析や、例えば果物の柿がありますけれども、そうしたものの長期保存方法の確立などについて研究、分析していただく。
それから、農林振興センターでは、白ネギなど高収益作物のブランド化をしていき、その販売強化、地域資源を活用した新商品開発などを支援していくということが大事になってくると思っています。
今後、そうした取組をするに当たって一番大事なのは、まず地域の実情を把握するために現場に出向くことが大事になってくると思っておりまして、その上で農協など各種団体や意欲ある地域づくりの実践者と話をする。そうするとともに、庁内の関係部局とも連携しまして、例えばモデル的な事業者への一貫的な支援によって、成果を一つ一つ出していくことが、付加価値の高い商品の開発、販売につながっていくのではないかと考えております。
米原委員 中山間地は日当たりがよくないんですね。日当たりがよくないから山が腐っていく。だから、水抜きのために暗渠の整備をして、そこに今のおっしゃるスマート農業をやるとか、機械ドローンを使ってやるとか、そういったことも調査をしてやれば、まだまだいろんなことができるはずです。
そういうこともあるということもひとつよく理解をした上で、この中山間地域の整備にもぜひしっかりと取り組んでいただきたいことをお願いしておきます。
次に、野上先生が副官房長官を務められて大変大きな役割をしてこられました。このたび待望していた大臣に、それも農林水産大臣に就任されました。松村謙三先生以来の快挙でありまして、大変期待をしたいと思っていらっしゃる方が多いと思います。
野上先生は、大臣になってから二0三0年までに輸出額を五兆円にしたいという目標設定をされて、いろいろやることがたくさんあるなと思います。
何年前だったでしょうか、新田知事が同じ経済同友会で、北京に行くときに、羽田で野上さんが入ってきたもんだから、どこ行くのかと言ったら、北京だと言って、行くところもたまたま一緒だったですね。総理大臣の代理で行くとおっしゃいました。行ってみたら、ちょうどそこへ中国の大使の横井さんが来られて、その横井さんも富山県出身、総理の代理も富山県出身、我々も富山県の経済同友会の代表ミッションで、みんな富山県。その晩、大使館で皆さんと一緒に食事をしたときに、富山県人会の方も来られて、すごい盛り上がりました。このときもやっぱり輸出の話が随分出ました。農業の話が出ました。横井さんは退任されましたけど、私はまだまだたくさんのそういったことというのはもっと楽しい話がたくさんある。産地間競争は、そういうことだと思うんですよ。
それから、皆さん京都へ行ったときに買う漬物の大安の「かぶら」は婦中からのもので、富山県の材料だというんでしょ?これを買ってきてうまいうまいって食べているけど。富山県というのは、付加価値をつけることが非常に弱い。これについて、本当は知事にいろいろとお聞きしたいけど、時間がないので、しっかり今の件を受け止めて今度の政策の中に取り入れてください。こんなたくさんあるんですよ。これを生かさない手はないですよ。いろんな知恵を出していただきたいと思います。
その次にちょっと質問します。
今回、同僚の議員からも武道館と高岡テクノドームの話が結構ありまして、PFIの話もございました。
そこで、私は何を言いたいかというと、そもそもこの話は、全天候型の話から新幹線が開業した後の富山県はどうあるべきかというときにこの話が出てきた。そして、中川議員が、当時武道館の話を主張されました。私は高岡テクノドームを言った。何でかというと、富山にはテクノドームがあるけど、高岡になかった。
石川県は3号館、4号館と進んでいたけど、富山県は一つしかなかった。だから、私は、高岡に造ってくださいと言った。そのテクノドームも相当古びたので、何とかしてくださいということで、新田一郎(現在 総務省)さんに何かうまい方法はないか言ったら、バーチャルリアリティーや、あるいは5Gの関係の時代の中でこういうものを造ったらどうかという話になって、この話がだんだん大きくなっていったんです。
ハコモノをつくる本当の意味とは
だけど、まだそれは形だけの話ですけど、私、何を言いたいかというと、箱物を造ることが目的ではなく、どう運営するかということが最終目的なんです。蔵堀政策監に、武道館だけでなくて多目的に使うことを考えてほしいということを言いました。柿沢総合政策局長にもそのことを言いました。役所の皆さんは箱物を造るまでの仕事は得意かもしれないけど。
そうではなくて、これをどう運営するかということを考えないといけない。これが民間の仕事なんですよ。その考え方でPFIの話をつかんでやるんだったら、これは私は時間が遅れてもいいですよ。建物がどうとか設計がどうとかというのは、確かに物をつくるときはそれは必要です。
しかし私は、交流人口をどう増やすかということを言いたいわけです。この考え方にしっかり立って、知事さん、取り組んでください。どうですか。
新田知事 農業関係の質問も予定されておりましたが、飛ばされましたので、でも一言だけ、昼のイチゴに対するお礼を申し上げたいと思います。大変においしく、甘さと酸味が適度にバランスされて、とてもおいしくいただきました。聞けば、農業組合法人ガイアとなみさんで生産されたと聞いております。特にイチゴは、若い人やあるいは女性が主に手がけておられるとも聞きました。やはりそうやって新しい担い手がどんどん出てくる農業にしていかなければならない。若者や女性がどんどん参入できるような農業を目指してまいりたいと思います。本当にありがとうございました。
今の質問ですが、テクノドーム、民間活力の導入の検討を早急に進めてまいりたいと思います。この目的は、もちろん厳しい財政状況を踏まえて、コストの削減につながることが一つ目的ですが、それだけではなくて、今、米原委員おっしゃったように、この民間の活力を生かすことによって、施設の利用の促進、またサービスの向上、そして来場者が喜ぶようなそんな仕掛け、そういうことによってコンベンションや、あるいは大会などの誘致をより活発化して交流人口の増大を目指していくことがやはり箱物の目的でございます。そういったことをしっかりとわきまえまして、この民間活力の導入を機としながら進めてまいりたいと思います。そして、交流人口の増加がすなわち富山県の今後のさらなる飛躍へもつながるものと信じております。
米原委員 最後に、知事は北陸十字路の構想について、希望に満ちた富山県、ワクワクする富山県、チャンスがあり夢をかなえる富山県の創造に取り組みたいということを本県の未来像として県民に示されております。
その前にちょっとお話し申し上げておきますと、富山県の歴史でありますけれども、北陸十字路に今日至ったというその背景は、急にできたものじゃなくて、大変困難な時代を乗り切ってきた富山県の先輩、先人の人たちがいらっしゃるわけですね。
お一人は、ご承知の方もたくさんいらっしゃるかと思うんですが、政治家であり実業家でもあった佐伯宗義さんだと思います。佐伯宗義さんは富山地方鉄道の創業者です。立山黒部貫光、この「貫」というのは「貫く」と書くんですね、すごいですね。そして、アルペンルートをつくられました。
もう一人は、私は1965年に大阪で仕事をしておりました時に、たまたまご縁があって関西電力の本社へ、出向くことがありました。、その当時の社長は、芦原(重義)さんという方でした。社長室に通していただいてお話を聞いたことがございます。
僕は富山県人ですから、黒部のことを申し上げましたら、黒部ダムの話になった。当時の関西電力の資本金は200億円だったそうです。当時の資本金は200億円。建設費が当時の金で600億円ですよ。200億円の資本金の会社が600億円のダムを造ったんですよ。「決断したんだよ」とおっしゃいました。相当以前の話でありますけども、いまだに耳にしっかりと残っています。
私は、議員になってから、当時の知事の中沖さんに、関電さんへ行ってちょっと挨拶してくれと頼まれ、「できれば一般開放にしてください」と言った覚えがある。
それが、石井さんのときにまた関電との交渉が深まって、またこれを拡大しようということにつながっていった。そういう長い歴史があるということも私は皆さんに知ってもらいたいと思うわけです。
もうひとつは北陸新幹線です。この建設に当たりまして、ミスター新幹線と言う人はたくさんおられます、中沖知事も大きな役割を果たされましたが、政治家の中にも、経済界にもたくさんおられました。
何度も何度もこの計画が変更され、中止になって凍結されました。いろいろありましたけども東京―大阪間の東海道新幹線の代替補完機能ということが大きなテーマにになりました。
「富山のような裏日本に何で新幹線が必要なのか」ということを多くの人たちから言われて、随分、足を引っ張られたこともございました。
それをはねのけたのは誰だったのか。はじめに元総理の森喜朗さんがあげられると思います。小松の出身です。それを支えたのが北陸電力の原谷敬吾さんです。北電の社長であり会長であり、北陸経済連合会の会長です。この原谷さんも小松の出身です。森先生のお父さんである森茂喜さんは十一期無競争で当選を果たした根上町長でしたが、この原谷さんと森先生のお父さんとは同級生ということもあって、一緒になって、二人が力を合わせてこの北陸新幹線の建設促進に大変な努力をしてこられたという背景があるわけです。
森先生は福田赳夫内閣のときの副官房長官で野上さんのような感じでした。この北陸信越地区の人たち、青年会議所の人たちに、森先生が先頭に立って「みんな交渉に行ってくれ」と言われた。
私は初めてあのときに、政治というものはこういうものなのか、陳情というのはこういうことなのかということを思い知らされたのです。
また綿貫さんは、ちょうど中曽根総理のときに日本のど真ん中に東海北陸自動車道を造ろうと、この建設に全力を尽くされた。こういう皆さんが相まって今日に至っている。
私、知事にこのパネルを見せたいんですが、これはいわゆる回路です。今知事がおっしゃる十字路に新幹線も高速道路も空港も全部入っているじゃないですか。これを全国に発信すれば分かりやすいはずです。富山とか石川県だけ見ては分からないんです。こういうことを皆さんに発信できるようになれば、もっと私は違っていくのではないか、それが北陸の十字路につながっていくのではないかと思って、あえてこれを皆さんに見てもらった次第です。いかがですか。
新田知事 佐伯宗義さんとは、私の祖父の高辻武邦も交流があったようでありまして、この前ある資料を届けてくださった方が、「佐伯さんが立山黒部鉄道を始めたいと。その民間企業への出資を何と当時の富山県知事が県知事名で募っている」という資料でありました。知事が民間企業への出資を県民に呼びかけるということは、今でしたら少なからず物議を醸すことだと思います。でも、多分私の祖父は、県のため、県民のためにこれはなると思い、批判も畏れず民間企業への出資を県知事として呼びかけたんだと思います。やはり県のため、県民のためと信じることを行うのが知事の役目だと思います。そんなことも今考えながらお聞きをしておりました。
そして、ミスター新幹線の話も本当に、私も実際にお会いすることはあまりありませんでしたが、書いたもので読んだことがあります。そして、綿貫先生が尽力されたとか北陸自動車道、そのような先人たちのご業績の上に今、私どもがこうやって県政を担わせていただいている。そして、北陸の十字路構想というような構想もそういった蓄積の上に成り立つんだということは十分に理解をして、今後ワクワクすることがたくさんある富山県、プラスドキドキも追加しなければならなくなりましたが、ワクワク、ドキドキの富山県を皆さんと共につくってまいりたいと思います。
米原委員 終わります。
文責 米原蕃後援会
